1. リン酸エステル系モノマー「MDP®

 リン酸エステル系モノマー 「MDP®」は、歯質のみならず、金属やジルコニアに対しても高い接着強さを示しますが、「パナビア® V5」の接着性レジンセメントシステムでは、「パナビア® V5 トゥース プライマー」および「クリアフィル® セラミック プライマー プラス」に当社独自の高純度リン 酸エステル系モノマーの「MDP®」を配合しています。これにより、「パナビア® V5」は歯質と補綴装置を強固な接着により一体化させることが可能です。

  1. 化学重合触媒

 接着性能は接着性を有するモノマーだけで得られるものではなく、「MDP®」や他のモノマーが良好に重合硬化して初めて高い接着が得られます。「パナビア® V5」では、高安定パーオキサイド/非アミン還元剤/高活性重合促進剤からなる従来と異なる「3元系化学重合触媒」を採用しています。この化学重合触媒は、❝アミンフリー❞であるため、セメント硬化物は優れた色調安定性を発現します。また、高活性重合促進剤は、「パナビア® V5 トゥース プライマー」にも配合されていますが、還元力が高く重合促進能力が非常に優れるだけではなく、リン酸エステル系モノマー「MDP®」と共存可能なため、「パナビア® V5トゥース プライマー」の1液化を達成することができました。

  1. 「タッチキュア」による接着界面の重合促進

 「パナビア® V5 トゥース プライマー」には高活性重合促進剤を採用しており、「パナビア® V5 トゥース プライマー」を塗布した歯質との接着界面とセメントペーストが接触することにより、重合が促進されます(タッチキュア)。これにより、界面の重合促進が期待できると同時に、歯質と補綴装置を強固な接着により一体化させることが可能です。

※添付文書記載の化学重合開始剤、重合促進剤を指します。

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