➊環境光による硬化促進
「SAルーティング® Multi」は採取・接着操作中にデンタルライトなどの強い光が当たると、硬化が促進されます。採取・接着操作時にはデンタルライトを消す、光量を下げるなど、回避処置を行ってください。また、練和中や練和後のペーストに対してもデンタルライトや太陽光などの強い光が当たりますと硬化が促進されますので、ペーストの練和後には速やかに接着操作を行ってください。

❷口腔内環境における硬化促進
「SAルーティング® Multi」などのレジンセメントは、口腔内など室温よりも高い温度下、また補綴装置の接着操作において空気と触れない状況になると、硬化が促進されます。特に窩洞へセメントを塗布した場合、40秒程度で初期硬化が開始されますので、速やかに補綴装置の接着操作を行ってください。(支台歯の前処理材として、「クリアフィル® ユニバーサルボンド Quick ER」を併用した場合には装着後30秒程度で初期硬化が開始されます。)なお、ポストの植立等でレンツロを使用すると過度に硬化が早くなりますので、レンツロは使用しないでください

❸水分の混入による硬化促進
練和紙や練和棒に水滴が付着していると、硬化が早くなる場合がありますので、水滴が付着している場合は水滴を拭き取ってから使用してください。また、結露による水分混入を防ぐため、室温に15分以上放置してから使用してください。練和紙および練和棒は、冷蔵庫に保管しないでください。

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